連なってゆく

からくりからくさ

からくりからくさ

りかさん (新潮文庫)

りかさん (新潮文庫)

『からくりからくさ』を読み終えたとき、『りかさん』を読み返したくなったのでいっぺんに読みました。『からくり〜』の方にもりかさんは出てくるんだけど、りかさんらしいりかさんではないから、会いたくなった、っていうか。時間軸は『りかさん』〜『からくりからくさ』〜『ミケルの庭』*1とつながっているんだけれど、どっと読んだからか、『りかさん』を読んでいるときに出てくる名前が(あ、●●さんのことだな)とか、ここに出てくる人たちが数年後に不思議な縁で集まるのだなあとしみじみしてなんだか面白かった。

伏線はいつでもいくらでも張られているが、それがわかるのは思い出になってからだ

という一文にはっとしました。うーん、そうなんだよな。そのときに分かっていれば、ってもちろんおもうけれど、それってやっぱり本当に難しいことなんだよね。この本は実は中学生のときに買っていたのだけど、そのときはどうも読み進めることができなくて、でも今読むと本当に面白いなあとおもいました。わたしが蓉子たちと年が近くなったこともあるだろうけれど、こうやって昔受け入れられなかったものを受け入れられるようになるのはとてもうれしい。
ちなみに『からくり〜』の方はハードカバーなのだけれど、わたしはやっぱりハードカバーが好きだし、厚みのある本が好きだなあとおもいました。読み終えて、裏表紙を閉じる瞬間の満足感がたまらないのです。まあ、文庫本は持ち歩きができるから手軽でいいのだけれど、わたしは電車の中で読んだりってあんまりしないんだよなー。雑音とか入ってくるし。家でゆっくり読みふける時間が好きです。

*1:りかさんの文庫本に収録されている