『永遠の0』

永遠の0 (講談社文庫)

永遠の0 (講談社文庫)

スイスからの帰り道、飛行機のなか、電車のなかでずっとこれを読んでた。ゼロ戦の話ってことはちゃんと分かってなくて、話題だから読んでみようと手に取った本だったけど、ちょうど帰ってきた日が終戦記念日で、なんか巡り合わせだなあと思った。当日は空港の搭乗ゲートで甲子園を見ながら正午を迎えたので、そこで黙祷しておきました。


うーん、面白かった、っていう書き方をするとなんか違う気もするけど、小説としては単純に面白かった。ここに回ってくるのか!っていう驚きと感激があって。ただ、フィクションなんだけどノンフィクションでもあるというか。あとで実際に特攻に行った人の動画を見ていて、そこで初めて「帰ってきていいですか」って聞いた人は実際にいたんだということを知りました。
ひっさしぶりに本読んで泣いたんだけど、感動とか悲しさからくる涙じゃないような気がして、たぶん一番しっくりくるのは悔し涙かなあと思った。あの時代にあって死にたくない、生きたいという意志をはっきり示せた宮部みたいな人もきっと実際にいたんだろうし*1、どうしてこんな人がこんな理不尽な死に方をしなければいけなかったんだろう、って。月並みというか、当たり前に分かってはいることだったけど、それでも改めて戦争は絶対にしてはいけないって思いました。私も今のうちにもっとちゃんと勉強しておくべき。映画も観に行きたいなあ。

*1:教官になって教え子を行かせたくなくて不合格を出し続けた人がいたことも知った