積ん読が多すぎるし読むのが遅すぎるよ!

さがしもの (新潮文庫)

さがしもの (新潮文庫)

『だってあんた、開くだけでどこへでも連れてってくれるものなんか、本しかないだろう』
(『ミツザワ書店』)

本にまつわるお話を収録した短編集です。引用通り、わたしは『ミツザワ書店』が一番好き。上の台詞は、孫がおばあちゃんに本のどこがそんなに面白いの、って聞いたときのおばあちゃんの言葉。わたしはファンタジーとかミステリー、ホラー?そういう系統の小説が好きなんですが、それってやっぱり、今の自分の立場からは想像もつかないような世界が広がっていたりするからなんだよなーって。そんなに読書するわけじゃないけど、このセリフはそうそう!!!ってなった。
角田光代嫌いじゃないねんよな、ってお母さんに言ったら「それ好きってことちゃうん」って言われたけど、好きかって言われると、どうなんだろう…読みやすいし、ものによっては好きだけど、そうでもないものもあるっていうか、うーん。空中庭園はそんなに好きじゃなかった。そんな感じかな?この本は好きだった〜〜。

冬虫夏草

冬虫夏草

ちなみに、これは下書きに残っていたのでついでに一緒に上げておきます。梨木さんが草花や自然のいろんなものを描写するときの瑞々しさが読んでいて気持ちいい。こちらもとても好きだけど、わたしは『家守綺譚』の方が好みかなあ。

「繊細と強靭と。いや、その両方が互いを必要とする種類のものだったのかもしれない。(中略)凡人は繊細に拘れば強靭が遠ざかり、強靭を貫けば繊細が擦りとられていく。そして結局、繊細でもなく強靭でもない、鈍感粗野にして脆弱、という器に成り果てて行くのだ。」
「人は与えられた条件の中で、自分の生を実現していくしかない。」

はっとした箇所。凡人だなあ、つくづく。