『家守綺譚』
- 作者: 梨木香歩
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2006/09/28
- メディア: 文庫
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今となっては昔のことですが、明治や大正の頃なら、あるいはこのような生活が日常だったかもしれないとさえおもいます。というか、そうであればいいなとおもう。河童や小鬼が立ち現れたり、木が人を恋い、人が人でない存在に嫁いでいくような。やっぱり、梨木さんの作品はどれも素敵な世界観が広がっています。
「サザンカ」で、わたしの名前が出てきてびっくりした。女の人が幼友達を追い掛けるシーンで、いきなり聞こえた名前がわたしと同じ。「佐保ちゃんは、春の女神になって還ってくるのだから」という台詞も。わたしは「佐保」ではないけれど、確かにこの字を使うし、春の女神の佐保姫にちなんでつけられたところもなんだかつながるものがある。わたしの場合名前負けだけど笑、こんなところで思いもよらない出来事に、なんだかすごくうれしくおもいました。しみじみ。
春は佐保姫、夏は筒姫、秋は竜田姫、冬の白姫、かあ(創作意欲が掻き立てられるなあ)。